雨宮諒のライトノベル「シュプルのおはなし」を読んだ。私はわりとよくライトノベルを読んでいるけど、この話は珍しいタイプかもしれない。好みが分かれると思う。私自身は気に入った。あらすじとしてはこんなカンジ。
主人公は少年シュプル。シュプルは母親が仕事に出掛ける度に祖父に預けられる。ある日、シュプルは祖父の家の物置で宝箱を発見する。そのなかに入っているのはガラクタに見えるものばかり。だが、全て祖父の思い出のこもった品。ひとつひとつの思い出を想像して祖父が主人公の物語をシュプルが語る。聞き手は祖父自身と近所の少女アロワ。
老人が子供に物語を聞かせるというのはよくあるパターンだが、あえてその逆をしているところに新鮮味がある。子供のつくる話という体裁なのでその物語は稚拙でありがちなハッピーエンドなのだけれど、ある意味で妙に懐しさを感じる。少年が語り終わって帰った後に老人が「本当はxxxなんだけどなぁ」と呟く場面は単にオチとしての役割だけでなく、老人の本当の人生を垣間見せる深みを感じさせる。
機会があれば次の巻も買うことにしよう。
シュプルのおはなし―Grandpa’s treasure box (電撃文庫 (0926))
- 作者: 雨宮諒,丸山薫
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2004/04
- メディア: 文庫
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