続編

私は本屋へ行くことが多い。古本屋へもよく行く。ときに、かつて読んでいた本の続編が出版されていることに気づく。先日は「ミスター味っ子」の続編があることに気付き、ふと手にとって読んでみた。(3巻まで立読みした。)
人気に煽られて作られた続編は大抵がつまらないと聞く。昔のキャラを掘りおこした焼き直しにすぎないという意見もありがちだ。しかし、作家としての能力は確実に円熟しているわけで、良い作品を描けてもおかしくはない。目先の人気次第で流動的になる週刊誌の漫画の制約から解き放たれて本来の構想で描いたらどうなるかという興味もある。そういう意味ではむしろ、作者にとっても読者にとっても愛着のある昔のキャラを使うことは効果的なのではないかと思う。
この「ミスター味っ子II」に限っても、旧来からのキャラと新しいキャラの双方の視点から謎めいた新味王にせまっていく全体的な構想がよくできてることが見てとれる。旧作では結局、何々編という小さな単位を詰み重ねただけのいきあたりばったりなところがあった。唯一、ストーリー全体をまとめていたのが味将軍グループとの対立であったが、最終的にはどうなったのか曖昧だ。今、ざっと検索してみた限りではアニメ版では一応の結着はついていたようだが…。
で、結局のところ私が言いたいのは、こういった続編が単にかつての読者に懐しさで買わせるだけのものでなく、それなりの面白さがあるということ。

ミスター味っ子2(1) (イブニングKC)

ミスター味っ子2(1) (イブニングKC)