リテラシ

近頃はケータイ小説なるものが流行しているそうだ。携帯電話で読むことを想定した体裁で書かれたものとのこと。書くのも携帯電話によって行われる場合があると聞く。人気が出たものはそのまま書籍化されることもあるらしい。
で、書籍化されたもののひとつがニュース記事で取り上げられていた。その記事では、20歳あたりまでの若年層には本を一冊読み通した経験が無い者が少くはなく、そういった人達の間で平易な表現を用いた文章がウケているのではないかと結論していた。そこまで本を読まないなど、一昔前なら記者のいいかげんな想像だろうと一笑に付したところだが、義務教育の崩壊ぶりについての近年の報道を見るとそういうこともあるかもしれないと不安になってくる。報道とは誇張されるものだ、と思ってはいても。
ケータイ小説の内容については批判は多いものの、主観的なことであるし、下手な部分もそれなりに持ち味になったりするので論評はしないでおく。なにより私は携帯電話を持っていないので、その文化の文脈を知らずに一部を抜き出して語るのは見当違いというものだろう。
本を読まない層に対して小説を読む文化を与えたという功績についてはケータイ小説も評価できると思う。
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