現代魔法

コンピュータと魔法との組合せが用いられる物語としては「よくわかる現代魔法」あたりが代表格であろう。私の知る限りで最も古いものでは「女神転生」で導入されている。「ネギま!」でも小道具としてではあるが、そういった設定が見られる。
SF作家アーサー・C・クラークは「十分に発達した科学は、魔法と区別がつかない」(Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic)と言ったが、現代の科学は既にその域に到達しているのではないだろうか。少なくとも私は自分の目の前にあるコンピュータが魔法の産物でないと確信することが出来ない。
「Missing」では電話と怪異の関連について論じる場面があったが、コンピュータの得体の知れなさは電話どころのものではない。コンピュータと魔法を組合せた物語が自然に受け入れられるのは、双方の得体の知れなさ故に無意識に同一視されているのではないだろうか。あるいは逆に科学の万能性を盲信するあまりに魔法ですらも科学的に扱えると信じたいのかもしれない。
こういった物語は、当然のように生活の中にあるものが大多数の人々にとってブラックボックスであるということについて感じている不安を象徴しているようにも思えるのである。

よくわかる現代魔法 (集英社スーパーダッシュ文庫)

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真・女神転生 if・・・

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決定版 2001年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)

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魔法先生ネギま!(1) (講談社コミックス―Shonen magazine comics (3268巻))

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Missing 神隠しの物語 (電撃文庫)

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