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どうでもいい

世の中の多くの人は「どうでもいい」という立場を軽視しているように感じられる。 どうでもいいからこそどうでもいいのだというトートロジーを並べて悦に入る浅薄な人間もいるが、それは思考停止に他ならず、知性の敗北以外なにものでもない。

私の過去の経験を例として紹介しよう。 署名活動が街頭で展開されていた。 その内容は伏せるが、私にとって全く無関係としか思われないことについての署名活動だった。 通りかかった私に運動員が声をかけて署名を求めてきたので、私にとってその問題はどうでもいいことである旨を告げたのだ。 すると、「どうでもいいなら名前だけ書いて欲しい」と言うのである。

確かに私にとっては書くことに何の損もない。 しかし、「どうでもいい」という立場の人を自分たちの賛同者としてカウントする署名運動は「水増し」であり、不正である。 本質を忘れて数だけを頼りにするやり方は民主主義を誤解している。 (大抵の署名活動の結果は統計的有意性がなく、アンケートとしては実質的に無意味だ。 啓蒙活動の一種と捉えるべきだと私は考えている。)

「どうでもいい」というのもひとつの立場であり、勝手な事情に巻き込まれるのは不愉快だ。 だから私は積極的に主張する。 そんなことはどうでもいいと。

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