言葉の手妻

「業界シェア No.1」を前面に押し出した宣伝を見ることがある。 これは充分なシェアを確保しているということだろうか? 支持されているということなのだろうか?

考えてみよう。 たとえシェア 1% であっても他が 1% 以下のシェアであれば No.1 になれるのだ。

最も端的にシェアを表したいなら「シェア何パーセント」と言えばいいのに曖昧な表現をするというのは、逆説的にいってそれほど圧倒的なシェア率ではないということを示している。

宣伝する側としては威勢の良い言葉で人をひきつけたいのは当然だが、嘘を言うわけにもいかない。 その葛藤の中で生まれる微妙な表現に対して、消費者である私はズルいと思う。 一方で、上手いものだと感心させられた。

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