高畑京一郎のライトノベル「ダブル・キャスト」を読んだ。殺された川崎涼介の人格が浦和涼介の中に入ってしまい、ある程度の時間ごとに人格が入れ替わりながら川崎を殺した犯人を追うという話。叙述トリックを利用してうまくまとまっている。実は追っている犯人を取り違えているといったオチもタイトルの「ダブル・キャスト」に絡めていて上手いと思った。
この人が書く小説はどれもテーマはありきたりなんだけど、視点を変えているところが楽しい。最新作の「HyperHybridOrganization」も世界観としては仮面ライダーの模倣だが、戦闘員になった男の視点で話が進む。訓練の様子や組織内の対立などといった様々な要素をもりこんで、世界観を借用しただけに留まっていない。私のイチオシ作品である。
- 作者: 高畑京一郎,衣谷遊
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