アンカー

にちゃんねるで特定の発言に返答(言及)するときには専用の簡単な書式に従ってその発言の番号を書く。これはアンカーと呼ばれる。主要なにちゃんねる専用ブラウザでは、アンカーの上にマウスカーソルをもっていくと参照先をポップアップで表示する機能があるのが普通だ。
そして、このにちゃんねる方式のアンカーが便利なのは参照先を複数指定できることだ。旧来の掲示板では特定の発言に対しての返信という形で話をつなげるしかできないものがあった。それらはNetNewsの方式を継承したのではないかと考えている。(尤も、返信機能が無い掲示板の場合には発言番号で参照先を示すことはあった。しかし、活発な掲示板では参照先が流れてしまうので、発言を引用する方が好まれる傾向にあったように思う。)
にちゃんねるを眺めていると、ひとつのスレッドの中で複数の話題が入り乱れていることがあるのに気付く。時にはそれら複数の話題がひとつの結論に収束することもある。考えてみると議論にしろ雑談にしろ、話の流れが綺麗な木構造になることは不自然だ。アンカーで話題をつなげる方式は実はなかなか優れている。
さて、アンカーについて考えるきっかけになったのは、P2P機構を使った掲示板システム「朔」だ。朔は古い発言は積極的に捨てる方針である。朔はあくまでも通信システムであり、発言の保存などといった便宜はユーザーインターフェイスの側で行なうべきという設計思想に基づいているとのこと。現実にはデフォルトで用意されているウェブブラウザを介した簡易的なUIの利用者が大半、というより専用のブラウザが未だ出現していない。そこで、NNTPをサポートしてメーラをUIとして利用すると便利なのではないか、ということを考えたのだけれど、アンカーを解決する方法が思いつかなかった。
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