狼と香辛料

ライトノベル狼と香辛料」を読んだ。豊穣の神として何百年も村のためにつくしてき狼、ホロ。近年になって敬意を払わなくなった村人たちに見切りをつけたホロは商人のロレンスと共に故郷を目指す。賢狼を自称するホロは商売に詳しくはないが、ロレンスの商売を巧くサポートしてその賢さを徐々に見せ付けていく。
商売上の駆引きが実によくできている。騙されたのをうまく利用して逆転したつもりがその先は大ピンチ、という逆転の連続を自然に演出し、その中にファンタジー要素を折込むことも忘れない。交渉時の口上がいかにもといったカンジでテンポよく流れる様子も楽しい。
ファンタジーもので商取引を主軸にした物語というのは大変珍しい。それだけにいわゆるオヤクソクに縛られておらず、予想の出来ない展開に驚かされる。しかし、考えてみると、ファンタジー世界を舞台にしたMMORPG内で商売をメインに遊ぶことはよくあること。それを文章にするとこんなカンジかもしれない。(私自身はMMORPGで遊んだことはあまりないが。)

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)


狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈2〉 (電撃文庫)


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