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思考の幅

自己啓発本の多くは誰かの体験を元に物事に対処する方法論を羅列するスタイルで書かれている。 私はそういう本は役に立たないと思っている。 現実の物事は単純ではないので、ある方法で成功したとしても、それは単にそのときはその方法で成功する条件が揃っていたというだけのことだと考えているからだ。

実際にはどんな方法にもメリット/デメリットが存在し、状況にあわせて選ぶことが重要だ。 それを成すにはどんな選択肢が存在するのか、それぞれどんな特性があるのかを知っておく必要がある。 うまくいかなかったときに他の方法で再挑戦できるということを知っているだけでもやりやすさがずいぶんと違うはずだ。

例えば今、日本語変換には MS-IME を使っている人が大半だが、その人の多くは自分が IME を使っているということを知らない。 いくつかある IME の中から自分は MS-IME を (ほぼ自動的にだが) 選択しているのだということを知らない。 他に選択肢があることを知っていれば調べることは簡単だが、選択肢があることを知らないなら探すという発想さえ浮かぶことがない。 行き詰まったらそれで終わりだ。

そういう理由で、自分が無意識に選択していたことに気付かされる、そして他に選択肢があったのだということを示してくれる本が魅力的だと私は考えている。 故に、様々なパラダイムを示している SICP を私は好きなのだ。

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